俺たちの曳き回し練習7

長崎のお盆の風物詩精霊流しが終わると何故だか、空気が秋めいて感じる。
ひぐらしの鳴き声が夏の終わりを匂わせるが、まだまだ俺たちの夏はこれからだ。

8月16日(月)
いよいよ練習の盆休みを終え、本番に向けてのセカンドステージに入った。

休み前の練習、『お旅所』『諏訪神社』では台風に見舞われ、残念ながら十分な練習ができないまま、連休に入ったので、都合1週間ほど練習をしていないことになる。

しかしながら、町内であった根曳のみんなに聞くと、体が休まりそれぞれ故障や痛いところもだいぶ回復しており、グッドコンディションで気合いも充実していた。

多少不安もあるが、気合いで解決!!

ファーストステージで重く回らなかった船が今日はとても回りそうな気がする!!

そんな根拠の無い期待だけがあった。

久しぶりに船庫前集合。

頭を中心にいつもの掛け声で練習は始まった。

頭『鳴らせ〜!!!!』
囃子『鳴らせ〜〜!!!!』
頭『回せ〜〜!!!!』
根曳『回せ〜〜!!!!』

頭『1・2・3』
全員『ヤーーーーー!!!!』

気合い十分。
今日の踊り場は、賑町の中央公園。
いつも賑町の皆さんお世話になっております!!
そして今日は築町の皆さんも同公園にてバーベキューをされてました。

たくさんのオーディエンスに囲まれて気合いの1セット目!!
やっぱ回る!!
しかも体が軽い!!

と思ったのもつかの間、一回タイミングを外してゆっくり回し(通称:奴隷回し)になると今までの快挙が嘘のように体力を持っていかれてしまう。

2セット目、3セット目どんどん体力が落ちる。
ジョニーもヘロヘロだが、みんなも同じ。
紐を通じて、みんなの気が抜ける瞬間が伝わってくる。
回しの最終。
逃げの角度を確定するちょっと前くらいから、船は重みを増す。
『このくらいでいいだろう』という諦め
『もう少しで終わる』という油断

そんな事を感じているのか、いないのかわからないが、確かに後半船が重くなるのは確かな事実だ。

久しぶりの練習だったが、たったの1回だけ『良い回し』があった。
そう!!
あの感覚を目指すんだ!!
今日の反省会は、点対象の位置の根曳の動きを共有すること。
紐の角度、走る方向、スタイル、腰の位置など細かい確認ができた。
明日も賑町での練習。
何かをつかめる記念日になることを祈る。